建築の主題

建築を写真や言葉を使って外部に発信したり、コンセプトと銘打ってコピーをつけるのは大変苦手である。それらは建築を情報に変換してしまう行為である。情報はいったん外に出してしまうとそこで止まってしまう。しかし、現実世界は千変万化し、我々自身も二度と同じ状態を留めない無二の存在である。福岡伸一風に言えば、動的平衡を絶え間なく繰り返すことに生のリアリティーがある。そこが私の建築の主題である。だから、自ら自作に留めを刺すような行為は、出来れば避けたいと思っている。